長夏に補いたい五臓、五気、五味
体の健康が大切なことは言うまでもありませんが、
薬膳の基本の教え五行説には五臓五気五味という言葉があります。
五臓は私たち人間の肝、心、脾、肺、腎を指し、五気は木火土金水の5つの気を表し、五臓から出る5種の気を意味しています。
ここでは心気、肝気、脾気、肺気、腎気を言い、これ以外にも感情や天然現象もこれらに当てはまります。
感情においては喜怒欲懼憂であり、天然現象では寒暑燥湿風のことを言います。
五味は字のごとく5つの味を表し、甘い辛い酸い苦い塩辛いの味を指します。
夏の盛りの一番日の長い長夏では、健康的な方も体調を崩しやすく、
これらの五臓、五気に配慮しながら、五味をバランスよく食生活に取り入れることが大切です。
日本の夏には土用の丑の日がありこの土用は季節と季節の変わり目のことを言い、
夏の土用は脾系として五行説に入っていますが、
真夏の、日本の高温で多湿の過酷な環境の下、
弱りがちな消化器系を大事にすることはとても重要なことです。
ですからこのような季節に食生活では、できるだけ刺身などの生ものを多く食べることは避け、
体を冷やす冷たい飲み物なども控えることをお勧めします。
ポイントとして胃の弱い方はとにかく意識して消化がよいものや、温かいものを選択するようにしてください。
余分な水分が体に溜まり、むくみに悩まされる方も多いこの季節には、
利尿作用効果の高い瓜類や小豆、はと麦や鯉などを取り入れるのも良いことです。
しかし体を冷やす側面を持つ食材もありますので、
体を温めてくれる香辛料と組み合わせて調理してあげるとよいでしょう。
夏特有の長引く疲れにより食欲がでない方に、
甘いものは脾臓や胃に現れた疲れに良いのですが、だからといって砂糖ばかりの摂取はいけません。
できるだけ天然の甘味を持つ体に優しい豆類などから摂ることをお勧めします。
緑豆やインゲン豆、はと麦などは暑さと湿を取り除いてくれる効果が期待できます。
またハト麦はお茶として気軽に飲むことができるのも嬉しいです。