「経絡」って何?「正経十二経脈」「奇経八脈」とは?

目次

はじめに

東洋医学においては「経絡」という考え方があります。

ここではそれについて紹介します。

そもそも経絡とは気や血の通り道とされていて、経脈や絡脈からなります。

経脈は比較的太く、からだの縦方向を流れています。

また絡脈はこの経脈から分かれた細い枝のことを指します。

ここがツボを持っている場合には、

そこを刺激することで繋がっている臓腑を治療することができます。

経絡は概念的なものですから、実際に体内でこのようなものを見ることができません。

しかし働きとしては西洋医学でいうところの血管やリンパ系、神経系などの役割に近いものがあります。

正経十二経脈

先ほど経脈について紹介しましたが、この経脈には様々なものがあります。

たとえば正経十二経脈ですが、こちらはツボをもつ経脈の事で、

肺経・大腸経・胃経・脾経・心経・小腸経・膀胱経・腎経・心包経・三焦経・胆経・肝経の総称です。

聞き慣れた臓器の経もありますが、聞き慣れないものもあるでしょう。

たとえば脾経ですが、こちらは胃経とともに消化吸収を調整する働きがあります。

また心包経では心の調整を行います。

さらに膀胱経や腎経というのは膀胱の調整だけでなく、生殖や老化に関与しています。

三焦経は内臓の活動に必要な原気や水を運ぶ働いを行い、

肝経では肝の調整の他にも血液の調整という働きも担っています。

正経十二経脈はツボをもつので鍼灸治療によく用いられています。

奇経八脈

またツボを持つのはこれだけではありません。

奇経八脈と呼ばれる経脈のうち、督脈と任脈にもツボがあります。

こちらも鍼灸治療ではよく用いられています。

督脈というのは脳調整を行う働きをもち、

任脈というのは生殖器の調整を行う働きがあります。

関連する臓器に異常が起きると、その異常はツボの付近でも現れます。

たとえばその箇所の皮膚にざらつきが見られたり、発疹が発生する、

強い痛みがある場合には、内臓の異常も考慮する必要があります。

東洋医学ではこのような異常を鍼灸によって治療します。