「精、気、神」ってどういう分類?「先天の精」「後天の精」とは?

目次

はじめに

東洋医学の考えでは、人間は先天の精と後天の精を持っており、

老化や若返りの状態を左右する要素として重要視されています。

精(先天の精)について

先天の精は親から受け継ぐもので、誰でも最初から必ず備わっているわけですが、

後から増やすことができないのが最大の特徴です。

暴飲暴食や不規則な生活を続けている場合には、極端に減らすことも考えられますから、

人によっては老化を早く減退させてしまうことにもなるわけです。

精(後天の精)について

後天の精に関しては、普段の食事から得られる栄養を脾胃が吸収して作られるものですから、

後から増やしたり減らすことができます。

具体的には、水穀の精微が清気と調和して、絶妙なバランスで作られる性質を持っています。

結果的には両方が合体することによって、腎精が作られていくという考え方です。

この仕組みが見事に働く場合には、五臓の腎の働きも活発になることから、

髪の毛の健康状態も良くなるわけです。

気について

気を具体的に分類すると非常に細かくなりますが、

基本的には津液や血液と調和する形で、全身の健康状態を左右する要素を持っています。

腎気が弱っている場合においては、精の活動が鈍くなることも重要なため、

東洋医学では腎に帰経する生薬を使って対処する伝統があります。

あるいは、腎経に属するツボに対して鍼灸やマッサージを行って、

気血の流れを整えながら健康を底上げすることも行います。

神について

東洋医学の考えによると、神も特別な理論で分類しますが、

この場合には陰陽五行の思想が重要になってきます。

神は心を中心にする五臓に収まることによって、

五神となって感情や知覚などを一括して支配していきます。

例えば、五臓の肝に収まった神は、魂となって人間の本性を下支えします。

総合的な考えでみると、神気になって人間の活動を支配していることから、

非常に重要な存在であることは確かです。

現代的な考えでは脳に精神が宿るとされていますが、

東洋医学の心は神を蔵する君主の官として、

理性も支配する最上位の存在に位置づけられています。