東洋医学の三大理論、「天人合一思想」って何?

目次

はじめに

天人合一思想とは、東洋医学の基礎的な思想となっている考え方です。

自然や宇宙のことを示す天と、人の間には関連性があると、中国では考えられてきました。

農作業が中心となる生活を送っていた時代は、

自然災害や季節の移り変わりが、作物の収穫量に大きな影響を与えるため、

非常に関心を持つ事象だったのです。

自然と人の関係性

人間は、自然環境によってその生活に大きな影響を受けるという理解が広まったことで、

自然の仕組みと人体の仕組みに強い関係があると考えられるようになりました。

そして、自然を大宇宙として捉え、それに対応するような人の体内の仕組みを小宇宙とし、

これを天人合一思想と呼ぶようになったと考えられています。

自然と人との関係をどう捉えるかにあたって、

中国の思想では、天と人は本来であれば一体であるはずという考え方を持っています。

その思想の境地が天人合一思想とも言え、栄の時代にはこの考え方が発展していき、

宋学の基礎観念にもなったようです。

天と人の関連性

天と人に関連性があると考える具体例としては、

例えば自然が、太陽や海、植物等でそれぞれに影響を与え繋がりを持っているように、

人間の体も細胞や器官同士で、有機的な関係を持っているから、といった説明がされることがあります。

また、風や雨を人の喜怒と関連付けて考えたり、

雷を人の声に対応するものと考えたりといった例も挙げられます。

天人合一思想が与えた影響

この天人合一思想は、自然や宇宙の現象を理解するための基本的な考え方となり、

その後体系化されていく、陰陽論や五行論に影響を与えていきます。

東洋医学は、産業の発達とともに医学的な視点も多く取り入れられましたが、

天人合一思想のような考え方も探究がなされ、医療の発展に大きく貢献したとされています。

日本も中国の思想に大きな影響を受けていて、特に気の思想については文字とともに伝わった背景があります。

中国では時代を生きるための具体的な方法論としての意味を持つ思想で、

医学以外の文化等にも大きな影響を与えています。