身体に作用する味「五味」って何?~酸、苦、甘、辛、鹹(カン)~

五味とは

味には、大きく分けて5つの種類があります。

それらは通称五味と呼ばれ、特に薬膳を作る上では非常に重要なポイントです。

ただ一見難しそうに思えるこの言葉ですが、

詳しく見ていくととても身近なものであることも判るでしょう。

まず五味の中には、酸というものがあります。

酸は酸っぱさを表す言葉で、梅干しやレモン、調味料ならお酢が代表的な存在となります。

酸っぱい食べ物は食欲の増進や疲れの緩和に作用するものが多く、

特に夏場の胃が弱りやすい季節には重宝します。

次に挙げられるのが苦で、こちらは苦味を表す言葉です。

瓜類やパセリ、またはコーヒーなどがここに含まれ、

意外と多種多様な食材とメニューが並ぶことが判ります。

良薬は口に苦しということわざにもあるように、

苦い食べ物は滋養強壮や身体の免疫力を高めるものが多いです。

単体では食べにくいので、他の味と上手に混ぜて食べることがコツになるでしょう。

甘は、そのままの意味で甘みを表します。

砂糖やクリーム、チョコレートなど、お菓子類を思い浮かべる人がほとんどでしょう。

ですが先程挙げた苦とは違い、比較的身体に良くないイメージを持たれがちです。

とはいえ甘も立派な五味の1つで、程好く摂ることで頭の回転を良くしたり心を穏やかにすることができるのです。

食べ過ぎにさえ注意していれば、大切な生活の1ピースをして考えられるようになります。

辛もそのまま、辛さを指す言葉と捉えてください。

唐辛子やカレーなどがここに含まれますが、辛い食べ物を食べることで身体を温めることができます。

そのため主に冬場に重宝する五味で、酸と同様食欲増進のために夏場にも用いられることはあります。

体質によっては胃腸への刺激が強くなるため、食べる量を調節してゆっくり摂るといいでしょう。

そして最後の鹹も、実は辛みを表しています。

しかしこちらは塩辛い辛さに当てられた言葉で、塩や醤油、味噌などが該当します。

過食は厳禁なものの塩分は身体の調子を整えるのには必須で、全く食べないのも良くないのが鹹なのです。

五味について学ぶ上でも、一番最初に勉強すべき言葉かもしれません。