扶正去邪とは
漢方の考え方では、扶正去邪とは補虚瀉実ともいわれており、
正気と邪気のバランスが大切だと考えられているのです。
このバランスを見て補法によって正気を補ったり、
瀉法という方法で病邪を除去するために治療を行打ということなのです。
つまり、補法は身体の抵抗力といえる正気が低下した状態を改善したり、
病邪はそこまで強くないのにもかかわらず病気になるという状態の虚証に対して、
正気を補っていくことなどを言います。
身体の抵抗力が十分あっても病気になりやすい実証に対して邪気を排除するということも行われるのです。
扶正去邪で、体に虚証と実証の両方がある場合は補瀉を両方とも実施します。
身体の抵抗力が低下しているうえ、病邪も存在している状態では、
体にとっていならいものは取り除いて必要なものを補うということが大切なのです。
虚証では呼吸が弱かったり筋肉の弾力性がなかったり、自汗や下痢などが起こりやすいという状態で、
胃腸が弱くなっているということがうかがえるということなのです。
身体にとって必要な要素が弱まった状態担っていて、疲れやすくて体力が衰えているということなのです。
それに対して、実証は呼吸が強く、汗を書きにくい状態になっていて、
便秘などが見られる状態であり、体の外に必要なものが出ないという特徴が有ります。
痛む部を按じると増悪するといわれ、
胃腸も丈夫で肥満がちであるといった状態としてはよすぎるという状況になっているといえます。
こうした状況が続けば、次第に丈夫な部分が弱ってくるということになるので対策が必要ということなのです。
つまり、外邪が体内に侵入して邪気が強くなるのが実証なのです。
そして、その人の身体がどちら担っているのかという点については、
この見極めはとても難しいと言われています。
そのため、虚証と実証という状態になっていれば、
補法と瀉法という考え方に基づいて対策を行っていくということが大切ということなのです。