薬膳の4大補法と食材(中薬)まとめ~平補法、清補法、温補法、峻補法~

薬膳の4大補法と食材

薬膳とは中国の伝統医学理論をベースとした料理や献立のことで、

正式には「中医営養薬膳学」と言います。

薬膳の世界では、全ての食物は酸味・苦味・甘味・辛味・塩味の「五味」と、

熱性・温性・平性・涼性・寒性の「五性」の特性をもつと考えられており、

薬膳の効果を得るためにはこの五味五性をいかした食材を選ぶことと、

摂取する人の体の状態や体質、気候などを考慮することが大切とされています。

更に薬膳には平補法と清補法、温補法、峻補法と呼ばれる理論もあり、健康を維持するための基本としています。

「平補法」とは2種類の意味があり、ひとつは五性のうち平性の食材や中薬を用いることで、

その多くは穀物や野菜、鶏や牛豚などの肉や卵や乳製品など私たちが日常的に食べているものであり、

もうひとつは気を補うために有効な山菜やクコはちみつなどが該当します。

「清補法」は五性の中の涼性と寒性のもので、消化吸収に優れ、

胃腸を始めとした内蔵を清めて便通を整えるなど、新陳代謝を活発にさせる大根や冬瓜、

スイカや栗、ウコンなどに代表される食材を指します。

「温補法」は五性の熱性と温性に相当する食材を食べて補うもので、

冷え症を始めとして倦怠感や著しい疲労などに悩んでいる人に効果的な食材で、

鶏肉や中華料理によく利用されるナツメ、ツブ貝や鮎、エビなどがあります。

「峻補法」とは補益作用が比較的強く効果も高い食材で、五性には含まれていない食材を指します。

具体的に羊肉や鹿肉、鱒やサワラ、キグチなどの魚類やスッポン、クマの手などがありますが、

日常的に私たちが食するものではないものが多いことが特徴です。

これらの食材をバランスよく摂取することが薬膳の基本であるため、

薬膳料理にはいろいろな食材を少量ずつ使用することが基本となっています。

生きることや老いて死ぬことは生命の自然な規律ではありますが、

薬膳は飲食の通じて体に足りないものを補ったり調整するために古来から伝えられ現在に至っています。