要注意!証に合わない漢方薬を飲むとどうなる?~葛根湯と虚証の例~

証に合わない漢方薬に注意

東洋医学を代表する漢方は、人間の体質を根本から改善して病を消し去る効能があります。

古来より地球に自生している植物を用いた治療法なのでアレルギー反応や副作用の心配もなく、

万人に向いている治療法といえますが注意しないといけないのが「証」に合わない漢方薬は飲んではいけないということです。

「証」とは、人間の体質をあらわす漢方用語で、虚証とは陰性の体質のことを指します。

虚証はおもに、冷え性・片頭痛持ち・低血圧といったマイナス面の体調を持つ方のことになり女性に多くあてはまる性質といえます。

漢方の葛根湯は太陽病と呼ばれるごく一般的な風邪の症状を和らげるのに広く用いられていて、表寒実証に属します。

つまり、虚証とは正反対の性質を持っていることになるので飲み合わせは悪く風邪が治るどころか長引かせることになります。

虚証の体質を持っている方には、同じ性質の桂枝湯を飲むことでより早い回復へとつながります。

しかしどうしても葛根湯を飲んで治療をしたいという方もいて、

この時は飲む方自身の体質改善を先にすすめることになります。

陰性を陽性にするには陽性の漢方を継続して飲む必要がありますが、主に使われているのが「麻黄湯」です。

熟成する前の麻の実を唐辛子と一緒に乾燥させたもので、飲むことで全身を温めて発汗作用もあります。

血液循環もよくなり、自然と陽性の体質へと改善されて葛根湯が効きやすい身体にすることが可能です。

なお、虚証のまま葛根湯を飲み続けていると、身体に悪影響があるので必ず避けましょう。

その主な症状は胃痛・下痢・関節痛で、女性の場合は気血症を発症する恐れもあります。

気血症とは、全身の血の巡りが悪くなり気力の低下や不眠・色素沈着などと個人差はありますが、生理不順にもつながります。

ご自身の体質をしっかりと把握したうえで、

漢方医から身体にあっている漢方を処方してもらうのが安全なので必ずかかりつけ医を持つのが賢明です。