目次
はじめに
東洋医学では人の健康を維持するために気、血、水の3つの要素で成り立つとされています。
この3つのバランスが維持されることいよって自然治癒力を促し、
様々な病気から身を守り症状を改善させると考えられているようです。
この3大要素の中の気とは原気、宋気、営気、衛気といった四つの生命エネルギーのことを指し、
例えば呼吸や心臓の鼓動、血液の流れ、体温や汗を調節する働きは全て気によって行われていることになります。
気が血と水と共に体中を運行することで体内を満たし、
原気、宋気、営気、衛気の活動を可能とします。
原気は臍下丹田、宗気は胸中、営気は脈中、衛気は脈外となり、
それぞれの場所で気を生成して人体の動作を行うことができるようになるということです。
四つの生命エネルギーを生成するために必要な要素は、水穀の精微と清気、さらに先天の精となっていて、
それぞれが体内に存在することで健康を維持することになります。
水穀の精微
まず、水穀の精微は飲食物や栄養物質のことを指し、
単純に水分や食べ物から得られる栄養素ということになります。
現代医学では人体を構成するために必須とされる部分で、
東洋医学ではこれを体を構成する一部分とします。
水穀の精微は、脾によって吸収および運搬されて気、血、津液の生成に運用されることとなります。
清気
次の清気は現代でいう酸素のことで、
空気が存在しなければ人間は活動できないという意味合いを持ちます。
例えば宗気の生成は自然界の清気と水穀の精微が交わることで生み出され、
胸中によって活動をするという考え方です。
呼吸活動は肺の重要な生理作用と古典に示されていることからも重要と考えられています。
先天の精
最後の先天の精は先天的なエネルギーで、
通常は親から受け継がれるものとしています。
両親から伝えられ子孫に受け継がれていくものとして、
生殖や発育に関するものとなります。
古くから「腎は先天を主る」とも言われ、
腎中の精気としても知られています。