目次
はじめに
東洋医学では病気を病名によってのみ考えるのではなく、個人の体質や身体的な特徴を元に、
その症状が何故出てきたのかと言う所を考えて、漢方薬を処方します。
虚証、実証とは
虚とは体力が低下したり、もともと体力のない状態を表します。
もともと体力がなく虚弱なため、抵抗力も弱く機能も低いと考えられます。
実は逆に体力があり、元気な状態の人を表します。
もともと体力が充実しており、病気に対する抵抗力が強く機能も十分だと考えられます。
東洋医学では病気の事を証とあらわすのですが、
虚の人の証と実の人の証は同じ病気でも根本的な原因や進行の仕方、
症状の重さなどが変わってくるため、対処の仕方も変わってきます。
虚証の人は生来体力が低く病気の症状が出た人です。
実証の人は生来体力があり抵抗力もあるけれど病気の症状が出た人です。
虚と実の身体的特徴の違い
虚と実はそれぞれ身体的に違う特徴を持ちます。
どちらの体質かを判断するには、体力、顔色、目の粘膜の血管、胃腸の症状、汗、舌などに加え、
精神的な要素などさまざまな項目を見て判断します。
虚証の人の特徴としてはまず、体力がなく特に何もしていなくても疲れやすいという特徴があります。
他にも身体的には顔色も青白く赤味のない傾向があり、汗をかきやすく体温は低め、
下痢を起こしやすいなどの特徴があり、精神的には静かで落ち込みやすく、口調も静かで穏やかと言う傾向があります。
逆に実証の人の特徴としては、体力がありちょっと無理をしても疲れにくく、
疲れてもすぐに疲れがとれやすいという特徴があります。
顔色は赤味があり血色がよく、あまり汗をかかず、体温は高め、
胃腸は丈夫で呼吸は大きくしっかりとしています。
精神的にも元気でどちらかと言うと感情的で、口調も勢いがあり声が大きいという傾向があります。
おわりに
虚証の人の病気は、時間をかけてゆっくりと体力を充実させることで改善をはかるのが基本となります。
実証の人の病気は逆に短時間で病源を断つような事が必要と判断されます。