目次
はじめに
六経弁証は、主に陰陽の状態を参考にする形で、外感病を分析する方法です。
具体的には、太陽、陽明、小陽、太陰、少陰、厥陰の6つに分かれていますから、
これらの関連性を分析して、正確な証を決定していきます。
どの要素も絶妙なバランスで成り立っていることから、崩れてしまった状態を見抜くことは、漢方薬を使う場合にも重要です。
六経弁証で大切なこと
六経弁証で大切なのは、体の表裏も分析して、
経絡の流れも含めて正確に分析することでもあります。
太陽病の場合には、体の表面には風寒の邪が侵入して、
発熱や悪寒などに代表される症状があると考えます。
葛根湯が適している病証の場合にも、体の表面には風寒の邪が侵入していると考えるため、
六経弁証の考えが役立つことがあるのです。
陽明について
陽明については、熱が過剰に余った状態で、行き場を失っている状態として考えます。
陽明が津液に影響を与えて、汗として余計な水分まで放出してしまうため、
この状態を鎮めるための処方が重要です。
太陰の症状については、寒邪が消化や運化を支配する脾に悪い影響を与えていると考えるものです。
六経弁証の特徴
これらの考えは、傷寒論を記述した張仲景という人物が古代に創出したもので、
現在では八綱弁証に代わる弁証法の一つに位置づけられています。
外邪の影響を表裏に分けて考える場合には、表は太陽病として考えて、裏は陽明病として分類するのも特徴です。
表裏の理論を発展する形で、さらに太陰や厥陰なども加えて、全体的に分かりやすい内容にしてあります。
六経弁証の少陽病については、表裏の中間として考えられるため、中間的な証を決定したい場合にも適しています。
六経弁証における陰陽は、目立つ部分と目立たない部分に分けることも可能です。
陰の文字が使われている太陰病については、体力的な考えでは虚証の場合が多くなっていますが、
冷え性の状態をともなうことも特徴です。
六経弁証では表裏や陰陽だけでなく、寒熱や虚実の分析も行えるため、
八綱弁証と共通する要素が多く含まれていることになります。