目次
はじめに
まず経絡とは、気血などの通路であり、内臓の病変を体表に伝達する通路の事です。
経絡弁証とは、この経絡や、それが属する臓腑に関連する臨床所見に基づいて、疾病がどの経絡・どの臓腑にあるのかを分析して判断をするという弁証方法の事です。
つまり、身体を1つの気としてとらえ、それが五臓を中心とした経絡の流れによって成り立っているという古典的な東洋医学の考えを用いた弁証方法だということが出来ます。
様々な経絡
経絡といっても身体には様々な経絡が存在しており、中でも代表的なものが、
手太陰肺経・手陽明大腸経・手陽明胃経・足太陰脾経・手少陰心経・手太陽小腸経・手太陽膀胱経・
足少陰腎経・手陽明大腸経・手太陰肺経・足少陽胆経・足厥陰肝経の12箇所の経絡です。
このそれぞれの経絡に、臨床所見と証候分析が存在し、患者がどのような症状なのかを判断していくのです。
外邪が人の身体に侵入すると、経気を巡らせるはたらきが乱れてしまうことから、体表では衛外機能が上手く働かなくなってしまいます。
つまり、経絡弁証とは、気の偏在や臓腑の不調を体表を観察することで把握していくということです。
そうして病因病理を流れとして把握することで、治療を行うことが出来るのです。
感知できる経絡の変化
そしてこの経絡弁証は、観察者・施術者によって、同様の患者をみたとしても感知できる経絡は違いを見せると言われています。
つまり、修得技法・修行時期・修得技術のレベルによっては感知できる経絡が異なってくるという事です。
これは、経絡弁証の技術を一概にまとめることは不可能であり、その経験を共有することも難しい為とされています。
おわりに
経絡とは気の通り道というのが一般的な説です。
気の診断法には様々な方法があるとされています。
その中でも、高い技術力を必要とし、体表の経絡を見極めることで、
疾病がどの経絡・どの臓腑にあるのかを分析して判断することが出来る経絡弁証は、
古くから受け継がれた歴史ある素晴らしい技術だということが出来ます。