目次
はじめに
六淫弁証とは、東洋医学において病気の診断を行う方法のひとつで、
六淫とは、風(ふう)・寒(かん)・暑(しょ)・湿(しつ)・燥(そう)・火(か)の六種の病邪の総称です。
また、弁証とは、望診(ぼうしん)・聞診(ぶんしん)・問診(もんしん)・切診(せっしん)という四診によって、身体の状態を診断することをいいます。
六淫は、身体の外部から感染し発病を引き起こす主な原因となり、季節や時期、気候などと関係があります。
また、六淫は単独で病気を引き起こしたり、いくつが絡み合って引き起こすこともあります。
風邪証
まず六淫のひとつ、風(ふう)における病気は「風邪証」と呼ばれ、
なかでも風寒証の主な症状は悪寒は強く微熱程度の発熱、頭痛や身体の痛み、
鼻がつまる、痰や鼻水は透明で水様などがあげられます。
また風熱証は、悪寒は軽いあるいは悪寒はありませんが高熱が出て、少し汗をかいたりし、
黄色く粘り気のある痰や鼻水がみられ、のどが赤く痛みをともなったりします。
さらに、風湿証は悪寒や発熱は軽く、頭痛がしたり頭が重かったり、
身体全体が重く感じたり、下痢や食欲不振などがあげられます。
寒邪証
2番目に、寒(かん)における病気は「寒邪証」と呼ばれ、
主な症状は悪寒発熱となりますが、
悪寒が強く微熱程度、頭痛や身体の痛みなどがあげられます。
暑邪証
3番目に、暑(しょ)における病気は「暑邪証」と呼ばれ、
なかでも傷暑証の主な症状は、高熱が続き汗をたくさんかき、
のどが渇いたり顔が赤くなったり、尿が赤みがかったりなどがあげられます。
また中暑証の主な症状は、高熱が続き汗をたくさんかくほかに、めまいや意識障害などがあげられます。
湿邪証
4番目に、湿(しつ)における病気は「湿邪証」と呼ばれ、
悪寒と発熱、ひどい倦怠感や食欲不振などがあげられます。
燥邪証
5番目に、燥(そう)における病気は「燥邪証」と呼ばれ、
発熱や悪寒のほか、口や舌、唇、喉、鼻の乾燥や、
乾いた咳などがあげられます。
火邪証
6番目に、火(か)における病気は「火(熱)邪証」と呼ばれ、
発熱と軽い悪寒、頭痛やのどの腫れや痛みなどがあげられます。