瞑眩と好転
漢方は一切合成物が入っていない、植物を調合して作る薬ですが、
西洋医学の薬が応急処置がメインであるとすれば、漢方は根本治療を目指すものと言われています。
つまり、西洋医学の薬は頭が痛ければその痛み「だけ」を止めますが、
漢方で治療するとなれば「頭が痛い原因を突き止めてこれを無くす」ところまでが治療です。
そして漢方を使いだし、薬を飲み始めてしばらく経つころに、
様々な病的症状が体に現れることを「瞑眩」(めんげん)、もしくは「好転反応」と言います。
例えば何らかの慢性疾患を持つ患者が漢方を飲み始めてしばらくすると、皮膚に湿疹が現れることがあります。
これは体の中にたまっていた毒素が皮膚に出てきたために起るものであり、薬の副作用とは考えられません。
辛い状態が続きますが、しばらく飲み続けているとその内なくなってしまうのが普通です。
今まで対処療法で毒に蓋をしていただけだったものが、
完全に毒素を体から排出しようとした結果であると考えられているのです。
湿疹だけでなく、下痢や倦怠感などを感じる人もいます。
瞑眩・好転反応には、眠い・だるいといった弛緩反応や、便秘や下痢、発汗、腫れなどの過敏反応など、様々な種類があります。
これは慢性病によって鈍ってしまっていた細胞が正常化にむけて活性化する過程で引き起こされる体の変化であり、
正常化してしまえば反応は終わって完全な健康を取り戻すことができます。
これを漢方で瞑眩現象といい、薬が効いているかどうかはこの症状が出ることで判るといわれます。
これは副作用とは違いますので、副作用が出たと慌てて薬の服用を止めてしまわないようにしなければなりません。
好転反応は体の元々悪いところが一時的に更に悪くなったかのような現れ方をするのです。
例えば高血圧の人が一時的に血圧が上がったり、アトピーの人が酷くなったりするなどがあります。
これを克服できるようにしていくことで、徐々に健康になっていくのです。