目次
はじめに
我々が暮らす日本は「四季がある国」とよく言われます。
これは単純に春・夏・秋・冬の4つの季節があるという意味ではなく(当然、これは他の多くの国で共通しています)、
それぞれの季節でその季節ならではの美しい景色や美味しい食べ物、
それに関わる行事などを大いに楽しむことができるという意味です。
我々は何百年、何千年もの間、この四季の移ろいに思いを馳せながら、
また気候等の変化に対応しながら生活と文化を育んできました。
春生夏長秋収冬蔵とは
この四季に関わる東洋医学の古くからの教えに、「春生夏長秋収冬蔵」という言葉があります。
単純に読めば、春に生まれ、夏に成長し、秋に収まり、冬に蔵するに入ると読むことができます。
これは一見すると四季の移ろいと共に大きく表情を変える植物たちの生き様を表しているように見えますが、
地球上の動植物全てに共通することであり、我々人間もその例外ではありません。
シンプルな言葉ですが、人間は自然の一部に過ぎず、
自然に対して誠実に生きねばならないという教えがその背景に見えてきます。
春夏秋冬との関係
この春生夏長秋収冬蔵という言葉をもう少し読み深めていきましょう。
春は外気と共に体が温まり活動的になる時期ですが、
同時にまだ不安定な時期でもあるため、ゆっくりと冬の眠りから体を起こし、
新たな自分が「生まれる」ために努める時期と言えます。
その後、夏にはゆっくり起こした体と気力を伸びやかに開放し、
1年で最も活発に生き、自分を成長させる時期となります。
秋になるとその開放されたエネルギーを徐々に収めて来たる冬へ向けて整えていき、
冬の間は整えたものにじっくり向き合いながら、
次なる「春生」に向けて十分なエネルギーを蓄えておくのです。
この教えはシンプルかつ漠然としたものですが、
テクノロジーが発展し四季の美しさや恐ろしさも薄れてきている我々現代人にとっては深く考えさせられる教えであり、
地球上で生き続ける限り忘れてはならない生き方と言えるのかもしれません。
今一度、それぞれの季節での自分の生き方を見つめ直してみてはいかがでしょうか。