「気」がもつ5つの作用「推動」「温煦」「防御」「固摂」「帰化」って何?

目次

はじめに

東洋医学において、体の仕組みや成り立ちに必要な要素として、気、血、水の3つがあげられます。

気は人間の生命活動を維持するエネルギー、血は各臓器や組織に栄養分を届ける血液、水は全身に潤いを与える水分をあらわしています。

血が気の力によって全身にいきわたり、気は血からたくさんの栄養分をもらうことで、その力を発揮することができるのです。

この3つの要素が体内を循環することで、私たち人間の健康は維持されています。

この3つの要素のうち、どれかに不足がみられたり、流れが滞ってしまうと、体のどこかに不調を感じるようになるのです。

私たち人間の体を構成し、生命活動を維持するエネルギー源となるものが気です。

気は体中の機能をスムーズに動かし、血液や水分の流れを促し、新陳代謝を促す効果があります。

人間の体に存在する気には様々な種類がありますが、その中でも基本となるのが、元気と呼ばれるものです。

元気とは生まれ持って受け継いできた先天性の気、食べたものが吸収されることで得られる水谷の気、そして口や鼻から呼吸によって吸入される空気を総合して呼んでいます。

推動

気が持つ作用には5つの種類があげられます。ひとつめが推動作用です。

これは血液の循環や、新陳代謝の促進など、体中のあらゆる生理活動を促す作用があります。

温煦

二つ目が温煦作用です。

これは体を温めることで体中の機能を活発化させ、体温を正常に維持する働きを持ちます。

防御

次に防御作用です。

防御作用は体の外側を守り、外部から悪い気が入ってくるのを防御する働きがあります。

帰化

次に帰化作用です。

これは血液や水分の生成、水分の代謝や、汗や尿への転化をコントロールする働きを持ちます。

固摂

最後に固摂作用です。

これは血液や汗、尿などが、もれだすことを防ぐ働きがあります。

気の異常や不調としては、全身や臓器の機能の衰退によってあらわれる気虚、気虚の一種であり気力のない状態である気陥、

人体の一部分の運行が不利になった状態の気滞、気の昇降機能の異常によって起こるしゃっくりや嘔吐などの気逆などがあげられます。