目次
はじめに
東洋医学にある気血津液弁証とは人体の構成成分である気・血・津液に着目し、その状態を調べて体調を診断する方法です。
気とは元気の気で人の活力の素になり脾・肺・腎との関係が深いです。
血は血液のことで血によって栄養を供給される全ての器官が関係してきます。
津液は唾液や尿・涙・汗などの血液以外の水分やその機能のことを指します。
これらが全て不足なく体内を巡っている状態が健康であるとされており、
この状態のバランスが乱れると健康の枠から外れていってしまいます。
気血津液のバランスが崩れた場合
例えば気が不足した状態になると気虚、気が滞ってしまっている状態になると気滞と言います。
気虚とは息切れや疲労感、倦怠感がありめまいやたちくらみの症状があらわれることがあります。
気滞の場合には胸・脇辺りが張る、移動時の痛み、ため息等が情緒と関係して起こるようになります。
また血の不足した状態を血虚、滞った状態をお血と言い津液が不足した状態を陰虚、滞った状態を痰湿と言います。
血虚には動機や不眠、手足のしびれ等の症状が見られお血には健忘や痴呆の症状がみられることがあります。
陰虚では午後の発熱や頬の赤みが出たり口の乾燥や喉の渇きを感じやすくなり、
痰湿になると悪心嘔吐・食欲不振・腹痛や下痢などの症状が見られます。
他にも暑さや寒さが関係しバランスがくずれ、
血行障害が起きたり何らかの原因で変性したりして症状が悪化することもあります。
このように気血津液弁証のバランスが崩れることによって様々な症状を引き起こすことになります。
治療法について
またこのような症状はどれかひとつのバランスが崩れているから起こるのではなく、
合わさって症状を引き起こしている場合が多いので、
漢方薬で治療する際には2,3種類の漢方を合わせて対応します。
その漢方薬の中でも消化器・呼吸器・血液を統合的に補強することのできる十全大補湯や、
眠れないときによく使用される人参養栄湯、気血双補剤の基本である八珍湯などが有名です。