漢方薬の服用方法
漢方薬には植物の根や花などの生薬を煎じて作る煎じ薬と、
さらにそれを濃縮し乾燥させたエキス剤などがあります。
煎じ薬を家庭で作るときはステンレスやアルミ鍋、土鍋や土瓶などでできた器具を使用します。
鉄や銅でできたものは鉄イオンなどが化学反応を起こし薬に影響を与えるため避けるのが望ましいです。
煎じるときの水の量は、処方された薬の用量用法を守りますが、
一般的には水500~600ccに1日分の煎じパックをいれ、10分ほどおいてから強火で一度沸騰させ、
その後弱火にしてゆっくりと煎じ、約半量になるまで煮詰めます。
必ず水から煎じることが大切で、時間短縮のためにお湯を注いだりしてはいけません。
煎じ終ったらすぐにカスを取り出します。
そのままにしておくとせっかく抽出された成分が水分とともにカスに再吸収されてしまいます。
煎じた薬は、熱いうちに茶こしなどでこして、
別の容器に移して雑菌が繁殖しないようになるべく冷蔵庫などで保存します。
魔法瓶などで保存する場合は高温状態を保つことができるので雑菌は繁殖しづらいですが、
翌日に持ち越す場合はやはり冷蔵庫で保管します。
煎じた薬の服用方法ですが、飲むタイミングは空腹時が良いとされています。
昔から漢方は胃が空の状態の時に飲むことが良いとされており、
そうすることで食事の影響を受けずに吸収率が高くなります。
ただし食間だと忘れてしまう、胃の調子が悪くなるといった場合は食後に服用してもかまいません。
服用する際は温めてから飲むのが一般的で、
保存しておいた薬を別の容器に移し替え電子レンジで30秒程度温め、
約40℃くらいにしてから飲んだり、湯煎して飲んだりします。
冷え性の方や虚弱な方は温めて飲むことで、
吸収がよくなり効果的であることがわかっています。
また香りにリラックス効果がある生薬もありますので、
温めることで香りをよりいっそう感じることができます。
苦くてどうしても飲めない場合は蜂蜜を加えても良いですし、
温めるとどうしても飲めないという方は医師や薬剤師に相談してみれば良いです。