目次
はじめに
気功按摩の方法はツボの一点に集中する必要はなく、
ツボを中心に経路全体を柔らかく按摩します。
胃から始まり左右に分かれ肩から腕、
手の親指に向かって流れている経絡を「肺経」と呼びます。
この経路の気の巡りが弱くなると、
呼吸量が少なくなり、気弱になって心配性になったり、
呼吸が苦しく、咳が出たり、気管支炎や喘息の症状が見られたりすることがあります。
「中府」と呼ばれるツボは気や胸が塞がって起こる症状全般に効果があります。
肩に向かう鎖骨の下にあるくぼみが中府です。
特に肺が弱い人は日頃から按摩を心がけると良いでしょう。
肺と五行思想
古代中国には自然哲学の思想である五行思想があります。
万物は木火土金水の5種類の元素からなるという説です。
四季の変化は五行の推移によって起こると考えられています。
また、方角や色などのあらゆる物に五行が配当されています。
人間の五臓にも割り当てられており、肺には「金」が該当します。
気功薬膳は内側から肺の機能を回復させます。
喘息やよく咳がでてしまうなど体質的に肺が弱い方は甘味と辛味、酸味の物を食べて補いましょう。
木火土金水の5つの元素は「互いに影響を与え合い循環する」という考えが根底に存在します。
互いの元素の関係には、順送りに相手を生み出して行く陽の関係と、
相手を打ち滅ぼして行く陰の関係が存在しています。
鉱物や金属の多くは土の中にあり、
土を掘ることでその金属を得ることができるため、土は金を生み出す陽の関係です。
反対に火は金属を溶かすため金とは陰の関係になります。
肺と五味
5つの味は五味と呼ばれ五行思想に当てはめることができます。
五味の辛酸苦塩甘はそれぞれ金木火水土の関係です。
肺の機能を助けるためには肺と同じく金にあたる辛味のある食べ物や、
金とは陽の関係にある甘味の食べ物を食べると良いでしょう。
ただし、取りすぎには注意してください。
また、陰の関係で火にあたる苦味のあるものはできるだけ避けることが得策です。
旬の食材と味覚を意識した気功薬膳が肺機能の回復に繋がります。