目次
はじめに
東洋医学では、西洋医学とは異なった考え方で治療を行っています。
西洋医学では、細菌やウイルスが体内に入ることで風邪などの病気を引き起こすという考え方で、
鼻水や咳を止める薬を飲むことで症状を和らげます。
しかし、東洋医学では、病気がどこからきて、どこにあるのかという考え方をします。
それを表現するための言葉が、表裏の証です。
表について
表裏の証を知る前に、東洋医学での表と裏について知る必要があります。
表は、表証とも言われていて、外的な因子が皮膚や口、
鼻などから体内に入り体の表面の部分に留まることで起こる病気です。
現代医学で言えば、表にあたるのが、被布や筋肉になります。
主な症状として、風邪や気管支炎、リウマチなどがあげられます。
表証の特徴としては、くしゃみや鼻水など発症が急で、症状の進行が早いことがあげられます。
裏について
一方、裏とは体の深部のことを言い、消化管、腸間膜がそれにあたります。
裏証とも呼ばれていて、体の内部で発生したものと、
表証が裏に侵入してきた場合の2つに分けることができます。
表から侵入してきた方が長引く傾向があり、
慢性頭痛、生理不順、腰痛、便秘といった慢性疾患に多くみられます。
裏証の特徴は、緩慢に発症し、なかなか治らないという点です。
裏証の治療は、まず表証を治してから行うというのが一般的です。
半表半裏について
また、半表半裏証といって、表証や裏証の他に、
表証から裏証へ進行中の症状があるときに使う言葉もあります。
表を過ぎているけれども、裏には達していない状態で、食欲不振やイライラ、
不安など様々な症状を複雑に発症していることが多いです。
おわりに
表と裏を判別することで、より体に合った治療ができるメリットがあります。
病気がどこからきてどこにあるのかという考え方は、西洋医学にはないものなので、
なかなかよくならない症状に悩んでいる場合は、表裏の証を確認してみるといいかもしれません。
漢方は薬のように咳を止めるというよりは、体質を改善するためのものです。