東洋医学の「証」って何?証の立て方と治療の手順

目次

はじめに

東洋医学は人に対して治療を行いますが、西洋医学では風邪などの症状に対して治療を行います。

そのため、風邪で鼻水や咳が出ている時、西洋医学ではそれらを止める薬を出すことで症状を抑えていきます。

東洋医学では、その人の持っている体の中のバランスが崩れているために咳が出ていると考えるので、同じ咳の症状でも個人に合わせて違う漢方が出されます。

この東洋医学での、個人が持っている体質や体力などことを、証と言います。

虚実の見極め

東洋医学でもっとも重視されているのが、虚実の見極めです。

虚証とは、体力がなく身体が細く、筋肉も柔らかいといった特徴があり、

疲れやすく、胃腸が弱いというように、体力がなくひ弱そうな人に当てはまります。

このような状態の患者さんには、弱ったからだを回復させるための漢方が出されます。

反対に実証の場合は、体力があり筋肉質でがっしりとした体付きの人のことを言います。

胃腸は強いですが、便秘気味であったり、病気になっても回復が早いなどの特徴があります。

患者さんには、病気の原因を体外に排出させるための漢方が出されます。

陰陽の見極め

また、虚実と共に重要なのが、陰陽です。

陰証とは、病気に対する抵抗力がなく受け身な状態であることを言います。

病気が体に勝っている状態で、体をあたためる必要があります。

陽証とは、病気に対する体力があり、発熱や炎症がおきている状態です。

体と病気が戦っている状態なので、炎症を取り除いたり、体を冷やすための治療を行います。

陰陽の見極めで病気の状態を知ることができますが、寒気のある患者さんに解熱作用のある漢方を出すと、

症状が悪化してしまうこともあります。見極めが非常に大切になります。

おわりに

東洋医学では、気、血、水といったバランスが体にとって大切なものとされています。

目で見て、耳で聞いて、話を聞いて、患者さんを触ることで、状態を正確に把握し、

証が度の状態であるのかを判断していきます。

患者さんの状態に合った漢方を出すことで治療をして行きます。