重い生薬の特徴まとめ~昇降浮沈、降逆、清熱、固渋、収斂~

重い生薬の特徴

風邪等の病の治療から体質改善まで、漢方薬は古くから東洋医学を代表する自然由来のお薬です。

その中でも生薬というものは煎じて飲むため、即効性に期待が持てるものです。

重い生薬というものもあり、名前のごとく効能が良い分身体への負担も大きくなります。

昇降浮沈というもののは、陽気を上昇させ風邪の悪寒を取り除くことが出来ます。

ただし、あえて悪気を吐かせる必要があり、飲むことで嘔吐を催してしまうのが特徴です。

もう一つ下降の意味もあるように、排便・排尿を誘発させて痙攣やふるえ・精神の安定をはかることも可能となっています。

降逆は気の流れを正常に戻すために、胃の中を温めることになります。

主に鹿角・決明子・桑葉を煎じて飲むのですが、

冷まして飲むのではなく沸騰したままの熱さで飲まなくては意味をなしません。

飲むといっても口の中をゆすぐ程度ですぐに吐き出し、

全身とくに胃腸あたりが温かくなったらゆすぐのをやめます。

清熱は八法中の清法をおこないながら服用する生薬になります。

熱証の反対で虚証の行動である冷水を全身に浴びながら、連解毒湯を服用します。

主に日射病・糖尿病・腎炎・夜尿症・蕁麻疹に効果があり、

2週間程度実践して身体のほてりや汗の量を確認しながら継続しなくてはいけません。

この清熱は、生薬の服用と並行して鍼を打つとより効果的とされています。

固渋は、山茱萸という漢方薬を服用して便や尿・汗など体内から漏れ出す液体を止めるのに用いる生薬です。

即効性があり、1度飲むと約12時間近くは排泄を催さないので体内に毒素が溜まってしまう恐れがあります。

この生薬は必ず漢方医の指導のもとに服用しないと身体への負担が大きいので注意が必要です。

収斂とは、2種類以上の生薬を混ぜて合わせて陰陽の効能を相殺するものを指します。

銀杏と山茱萸を掛け合わせることで精気を収斂して滑脱させず固脱させることが可能になります。

即効性がないため、長期にわたり服用する必要があるのが特徴です。

これら重い生薬は、病を根本から治すことを目的に用いられています。