煎じ薬、丸薬、散薬、膏薬、エキス剤の違いは?~さまざまな漢方薬~

目次

漢方薬の様々なタイプ

まず、漢方薬とは、生薬(天然に存在する薬効を持つ産物から、体質改善を目的として用いる薬の総称)を用いて、決められた配合で、調薬したもです。

漢方薬は様々なタイプや服用の仕方があります。

煎じ薬、丸薬、散薬、膏薬、エキス剤です。

生薬のタイプによって、成分の抽出のされ方が違うため、その薬効によって、服用のされ方が違ってくるのです。

 

煎じ薬

煎じ薬は生薬を水で煮出して作ります。お馴染みの「葛根湯」は「湯」という字がつきますが、本来は煮出して服用していました。

煎じている間の香りや飲むときの味も効能の一つであります。

また、薬がすでに湯状であるので、体内に吸収されやすく、胃にも優しいのが特徴です。

煮出すにはひと手間掛かってしまうのは仕方ありませんが、独特の香りと味覚の効果も重要です。

 

丸薬

丸薬は、生薬を粉砕して、丸めたものです。

丸薬にする生薬は揮発性成分を含まれたものです。

煎じることによって成分が飛んでしまう生薬は丸薬にします。

体内でゆっくり吸収されるので、お腹の奥底で効かせたい場合に適している薬です。

 

散薬

散薬は、水で抽出されない成分や熱に弱い成分や芳香性の香りが含まれる場合に適しています。

飲み難さはありますが、煎じ薬よりもゆっくりと体内に吸収されます。

膏薬はけがをした時に直接患部に塗る薬です。

傷の保護はもちろんですが、防腐、殺菌を促します。

打撲の際には患部を冷やす成分を塗ったりもします。

 

エキス剤

エキス剤は、生薬の成分を抽出し、濃縮したものです。

エキス剤は煮出す手間もなく、手軽に服用できます。

漢方に従って生薬が配合されているのですから、効果はあります。

ですが、それぞれの生薬に合った服用の仕方が一番効果が表れます。

煎じ薬としての生薬はそのようにして服用し、独特の香りと味を楽しみつつ、病気を治療するのが本来の漢方の考え方です。

漢方は効果が表れるのに時間が掛かると思われがちではありますが、ひと手間掛けて服用するからそう思われているのです。

煎じ薬の効果は、30分ほどで現れてくるものもあるのです。