「三陰三陽弁証」って何?大まかな概要と用語解説

目次

はじめに

三陰三陽弁証は、六経弁証ともいい、

日本の漢方医学の古方派といわれる医師がよく利用している診断法です。

三陰三陽とは、太陽(たいよう)、少陽(しょうよう)、陽明(ようめい)、

太陰(たいいん)、少陰(しょういん)、厥陰(けついん)のことです。

腸チフスなどの、高熱をともなう急性疾患を傷寒の病といい、

邪気と呼ばれる病気の原因の体への侵入状態で分類しています。

体の表面近くを表、内部を裏といい、

太陽病は表、少陽病は半表半裏、陽明病以降は裏となります。

そして、傷寒の病の病状を三陰三陽の6つに分類し、

病状は太陽から厥陰へと進んでいくと考えて、弁証つまり診断します。

この病状の6分類に応じて、治療法や漢方処方が異なります。

三陰三陽の症状

三陰三陽の症状を示しましょう。

太陽病は、悪寒、発熱、悪風、うなじの強張り、脈浮などです。

少陽病は、口苦、喉の渇き、往来寒熱などです。

陽明病は、高熱、お腹の張り、便秘などです。

太陰病は、体力低下、身体の冷え、腹痛、腹虚満などです。

少陰病は、眠りから起きられない、脈微細などです。

厥陰病は、下半身の冷え、喉の渇き、空腹だが食べられないなど、病気の最終段階で危篤状態です。

また、複数の分類症状が一緒に生じたりすることもあります。

邪気はうなじから入ってくる

病気の原因である邪気はうなじから入ってくるとされており、

初期段階の太陽病では、うなじの強ばりが起こるのです。

これには生薬の葛根が有効だとされています。

少陽病には、柴胡がは言っている柴胡剤や瀉心湯類を処方します。

陽明病には承気湯類を使います。

太陰病には、人参湯類や建中湯類を使います。

少陰病には、麻黄附子細辛湯や真武湯など暖める薬を用います。

厥陰病には、茯苓四逆湯、通脈四逆湯、通脈四逆加猪胆汁湯など、

冷え切った臓器の機能回復を試みます。

このように、三陰三陽弁証は、急性期の病態を診断するのに効果的です。

おわりに

以上をまとめると、三陰三陽弁証は、日本の古方派の医師がよく使う診断法で、

急性期の病態を診断するのに効果があり、病態は6段階ある、ということです。