東洋医学の三大理論、「五行論」って何?

目次

はじめに

東洋医学の中心となる考え方のひとつに五行論があげられます。

東洋医学の三大理論のひとつである陰陽論は紀元前1000年前後に成立しましたが、

五行論が成立したのは紀元前400年ごろとされ、比較的新しいものであるといえます。

その後960年の宗の時代に五行論が医学に取り入れられました。

五つの元素とは

五行という言葉からも分かるように、五行論は5つの元素を軸とする考え方があります。

万物は水、木、火、土、金の5つの種類に分けられ、

この5つがお互いに影響し合い、宇宙が成り立っていると言われているのです。

5つの元素はお互いに影響し合い、隣同士の性質は相生関係、向かい合う性質は調整する関係となります。

それぞれの役割

これらの5つはまず水から始まります。

水を吸い木が育ち、火は木によってその勢いを増し、

木が燃えることで出た灰は土の養分となります。

土の中で養分が固まることで金を生じさせ、金属は溶けて水に戻るという変化がみられます。

そして相生関係とともに、抑制し調整する関係でもあります。

水は火を消して勢いを調整する力があります。

木は土に含まれる養分を吸い、根っこを作ることで勢いを調整します。

火は金を溶かし、土は水の流れを止めることにつながります。

金は木を切り落とすことで抑制するのです。

これらのことからわかるように、勢いを増すという関係と、

抑制して調整する関係がうまく組み合わさって、関係が保たれているということです。

心身の状態と五元素

また、体の機能や心の状態も五元素に対応しています。

体の機能をあらわす概念に、五臓があげられます。

腎、肝、心、脾、魄の5種類があり、

それぞれ水、木、火、土、金に対応しているのです。

私たちの体の水のエネルギーが不調をきたすと、

それに対応している腎機能が低下しているということになります。

また心の状態を五神といい、志、魂、神、意、魄の5種類があります。

これらも水、木、火、土、金に対応しています。

水のエネルギーが不調をきたすと、腎機能の低下とともに、

志にも影響を及ぼし不安が生じることにつながるのです。