そもそも「気」って何?東洋医学における「気」の4つの分類

目次

はじめに

気とは自然や宇宙など様々な場所に存在するエネルギーで、人間を含めた動物の中にも張り巡らされています。

健康な人や病気になりやすい人、長寿な人や短命になりやすい人がいるのは、気が関係しています。

人間は生まれた時に気を与えられ、一生で使える気の量の制限があります。

使い方は個人の自由ですが、足りなくなれば病気がちになったり落ち込みやすくなったりします。

東洋医学では人間の体内にある気は場所や作用によって4つに分けて考えています。

宗気

宗気は胸の中に存在します。大気中を巡回している清気を肺に取り込み、脾胃から運んできた水殻の精微と結合させたものです。

心臓と肺の機能を正常にさせ、血の循環を良くします。宗気を作るには清気が不可欠なので、クリーンな空気を吸い込むことが大事です。

正しい呼吸法を実践することで、宗気が作用します。

営気

営気は脈管中に存在する気で、営は栄養のことで人間の生命維持に関与する基礎的な要素です。

血が巡ることで営気も全身に行き渡り、栄養を補給できます。

反対に営気が不足すると体が栄養不足に陥ることで、血の巡りも悪くなります。

営と血は精神状態の基礎でもあるため、不足すると気持ちが落ち込むなどの症状が出やすくなります。

衛気

衛気は水殻が脾胃により消化そして吸収されて生成されるものです。

衛気は全身の様々な場所に存在し、体の表面を多くことで外敵へのバリアの役割を果たしています。

熱気が高く、筋肉を活性化させて皮膚に潤いを与えます。

衛気が不足すると抵抗力が低下して、病気がちになります。

原気

原気は気の中で最も重要とされ、元気や真気と呼ばれることもあります。

先天の精が変化し、後天の精が補う形で作られます。原気も体中を巡り、様々な組織を正常に動かしています。

生命活動になくてはならない存在で、原気が十分にある時は腎で貯蔵されています。

原気の不足は腎腑の機能低下につながります。

後天の精は脾胃で作られるので、これらの部位を健康にすると原気も補充されます。