軽い生薬の特徴まとめ~昇提、解表、散寒~

軽い生薬の特徴

生薬を試すにしても軽いものから使ってみたいと考える人が多いようです。

軽い生薬なら穏やかな作用が得られますので、初心者でも安心です。

昇提作用を得られるものとしては、柴胡と升麻があります。

これらは個々で摂取しても昇提作用がありませんが、どちらも摂取することで作用を発揮しますのでどちらも含まれているものを選ぶことが大切です。

どのように働くのかというと、気の低下によって引き起こされる落ちている状態を引き上げるものであり、

落ちている状態とは胃下垂や子宮下垂、脱肛、慢性的な下痢などを指します。

解表とは風邪が治った状態を指すのですが、その働きがあるのは荊芥や桂皮です。

荊芥はシソ科で、開花時の全草を乾燥させたものです。

発汗・解熱・解毒・消炎・血行促進などの作用があり、止血も行えます。

桂皮は古くから薬物の王として扱われており、停滞しているものを動かして、発散させる作用を持ちます。

働きとしては発汗や解熱などは同じであり、整腸や収れんなどにも作用があるようです。

様々な生薬に含まれており、その中には強力な働きかけをするものもありますが、桂皮自体は強くはありません。

散寒とは体の冷えを取るという意味であり、体を温めて冷えを取り去るということから温裏散寒薬という言葉が一般的に使われています。

この作用を持つものに乾姜があり、ショウガを蒸して乾燥させたものを指します。

体を温めて新陳代謝を高める作用を持ち、軟骨を破壊する酵素の生成を抑制することも特徴的です。

生姜も効能は同じですが、これは生のショウガを指します。

細辛も同じように働きかけるものであり、鎮静・解熱・鎮痛などの効果もあります。

これらは軽い生薬として用いることができますので、初めて試す時の参考にしましょう。

優しい作用を持ちながらも体の不調の根本的な部分に働きかけ、体質を改善することが可能です。

市販されている漢方薬にも含まれているものばかりですので、珍しい成分ではありません。